報道関係資料Press Relations

日韓トンネル実現へ

機運醸成の取り組みを知事に期待

高比良議員が県議会で整備促進訴える

 

高比良元県議(県民主役の会)は、6月県議会の一般質問の中で、佐賀県唐津市から壱岐・対馬を経て韓国に至る『日韓トンネル』について、「中国主導の〝一帯一路政策〟が進行する中、我が国も東アジアでの地位を高め、世界につながる道を実現していかなければならない」と指摘し、高速鉄道・道路により中国・ロシアとつながるきっかけになる同トンネル整備の重要性を訴えた。

 

同トンネルは、全長約270キロで、唐津~壱岐間が約20キロ、壱岐~対馬間が約50キロ、海底部分は150キロ。国際ハイウェイプロジェクトの一環として(一財)国際ハイウェイ財団が実現を目指している。

 

高比良議員は」初めて耳にされる方は非現実的だと思うかもしれない」と述べた上で、▽唐津市には既に約20万平方メートルの土地が確保され斜坑を約540メートルまで掘り下げている▽対馬市厳原町阿連地区にも40万平方メートルの敷地を確保し、2014年9月に坑ロオープン式を実施済み▽壱岐でも芦辺町で3万平方メートルが確保され、今年中に坑口オープン式を計画―といった事業の進捗状況を報告。さらに、事業への理解促進に向け、財団が全国32府県に『日韓トンネル推進県民会議』を立ち上げ、今年中には40都道府県まで広げる見通しも紹介。

 

そして、長崎でも県民会議が立ち上げられているほか、対馬市議会では11年に早期建設を求める意見書を採択していることに触れ、中村法道知事に建設促進の機運醸成に積極的に取り組む考えはないか質問。

 

これに対し知事は、「建設が進むとなると、二国間の国家プロジェクトになり、巨額の建設費負担や技術上の問題など、さまざまな課題が想定される。現状は不透明な部分が多く、具体性に乏しい状況。国の動きなどもしっかり見極めていく必要がある」と述べるに留まった。

高比良議員は、トンネルに併設されるパイプラインや高圧送電線により、ガス・電力の多国間融通が可能になりエネルギー産業の発展が期待できることや、長崎・佐賀・福岡の地場産業のマーケットも飛躍的な拡大が予想されることを挙げ、「九州新幹線のフル規格化に対する佐賀県のスタンスもおのずと変わってくることも期待できる」と述べた。

 

さらに、日韓トンネル実現九州連絡協議会も結成され、多くの議会・財界人が参画していることも触れ、「いくつものハードルがあるが、大義から始めることが重要。本県の将来に新たな道筋をつけるためにも、政治家として積極的に取り組んでほしい」と知事に期待した。

(長崎建設新聞 2017年7月4日号)

  • 報道関係資料

ページの先頭へ