◆壱岐用地の雑木伐採が完了し、斜坑基地建設に前進
日韓トンネルのルート途中にある壱岐斜坑基地予定地の雑木伐採作業が、10月の作業に続いて、12月1日から3日の三日間、壱岐所長ら三人によって行なわれた。夏の作業のような蜂やアリたちとの格闘はなかったが、対馬海峡から吹き寄せる寒気の強風や小雪と格闘しながらも、チェーンソーで雑木を払い、枝打ちの作業が順調にはかどり、作業を完了した。敷地の全景が俯瞰できるようになり、県道を行き交う車も見通せるようになった。終わる頃には、雲間から時々のぞく太陽の光が敷地を明るく照らし出した。
県道から見たトンネル敷地。
環境保全と防音のために樹木を残しているため道路側からは見えづらい
これにより大まかな青写真の段階から、測量をして坑口や作業者用道路、現場事務所、駐車場など配置図を決める段階に入った。敷地は5段の段々畑状態で一般県道から容易に入れる入口から作業車が入り、二段階目に現場事務所を建て、次には坑口、そして最も低い所にズリを埋めていくという現場地図がイメージできるようになりました。
雑木伐採作業が終わり、来年から調査坑建設に向けた測量調査に入ることで、すでに600mまで掘削している唐津の名護屋斜坑、今年9月に坑口オープン式を行なった対馬の阿連斜坑に続いて、日本側の三地点の斜坑基地が目に見える形となります。“点から線へ”繋がることで、いよいよ本プロジェクトを日韓両国だけでなく、アジア・世界に見せる段階に入ったことになる。日韓トンネルは、極東アジアから世界平和の具体策を世界に発信することになります。
壱岐の用地は早い段階から準備されていたが、工事の順番から整備は最後になっていたため、敷地には雑木が生え放題になっていた。今回の作業を終えて、理事長は「これで壱岐斜坑基地2万坪が整った。唐津基地6万坪、対馬基地30万坪と合わせて、約40万坪の日韓トンネルの土台が完成した」と来年からの本格的展開に目を輝かせた。